一年前の海水浴
一年前タイへ行った。学生時代の友人(タイ人)が結婚パーティーを開くということで、数名の友人たちと現地集合現地解散で参列した。
完璧に見知った人か、完璧に見知らぬ人しかいない天国のような時間の流れるビーチリゾート地で、恥よりも好奇心が勝った結果、取ってつけた格好で海水浴を楽しんだ思い出が今もまぶたの奥できらきらとしている。
自分の枠組みを自分で決めてしまいがちでいけないね。もっと幅を持たせてあげていいし、柄ではないと見送ったり食わず嫌いをしていたら、その内きっと窒息するし自家発電が出来なくなる。
もっと素直になろう、と海水の上に寝転びながら思った。塩水が鼻に入るのが痛くて面白かった。とにかく心底楽しくて笑った。
コロナの気配が色濃く漂ってきたギリギリのタイミングで行けて良かった。行って良かったのかどうか帰ってきてからも悩んだけど、この一年で悪い知らせを聞かずに済んだので胸を撫でおろした。
学生時代は毎日顔を合わせて一緒に過ごした人たちだけど、こんなふうに海外で集まるとは思いもよらなかったな。
結婚パーティー前夜に、ひと部屋に集まってだらだらとお酒を飲み、映画やアニメや漫画や洋服や人生について流れるように話し続け、笑える話や笑えない話を程よい分量で混ぜ合わせながら、でもやっぱり笑っちゃう時間を久しぶりに持てたことが嬉しくて楽しくて、またそんな時間を持ちたいねーって、みんな自然と口にしていた。それがとっても難しいことだと分かっているから。分かっていても口に出して意思表示をせずにはいられない空気がとても良かった。願うことは美しい。叶えられなくても叶ってもどちらにせよ美しい。
暑いのは苦手だけど、アルコールを飲んでも飲んでも汗になって蒸発していくのが唯一最高。